金原山〜三床山(春の縦走)


 山仲間のイベント山行で、毎年、秋と春に金原山から三床山を縦走している。初めて縦走した頃に比べると、なんだか距離が短く感じられるようになったのは経験を重ねたからだろうか。この日(2007.4.30)は私の地元館林の気温が29.6度で日本最高気温を記録したほどの好天気で、山の新緑と初夏の爽やかな気持ちで歩けたこともその一因であろう。しかし、期待していたヤマツツジが全く不作だったのは少し残念であった。里では1年交代で開花状況が変化するようだが、山ではむしろ2年交代くらいかも知れない。とすれば、来年は3年ぶりにツツジのプロムナードが出現するはずである。それに思いを馳せて、今回は若干の記録をとどめておきたいと思う。

 三床山の鹿島神社に回収用の車を置き、金原峠の登山口に着いたのは9時25分頃。登山靴に履き替え済みで来たので、直ぐに出発。今回は総勢8名です。


 チゴユリ(ユリ科)が咲き始めていた。残念ながらピンボケ。コレ1枚しか撮ってないのでしょうがないから雰囲気だけでも見てくださいね。ふつうはこのように1輪だけですが、2輪ついて咲いているのもあります。

 ヤマツツジの他に出会うのを期待していたのがこのフデリンドウです。リンドウ科の花で春に咲くのはコレとハルリンドウで良く似ています。10センチに満たない位の背丈ですが、ブルーの色がなんとも美しいです。毎年咲く場所を知っていますが、今回はそこになくどうしたのかと思っていたら、日溜りに小さな群生をつくっているのを見つけホッとしました。

 右の写真の花は、コゴメウツギ(バラ科)だと思って撮ったのですが、こうして見ていると、なんだか葉っぱの雰囲気とかが違っているような・・・気もします。(後日図鑑で調べ、オトコヨウゾメ・・スイカズラ科と判定)
 
 山歩きを始めた頃、植物とか何かテーマを持っているとより楽しみが増すよ、とアドバイスをもらったことがあります。確かにその通りなのですが記憶力がねぇ(^_^;)

 六地蔵峠到着10:18。秋の日溜りハイクの頃も良い所ですが、新緑も雰囲気がいいですね。今回は巻尺で六地蔵の大きさを計ってみました。台座を含めて高さ70センチ幅30センチです。たぶん里人が背負って上げたのでしょうね。そのとき、彼らは何を祈ったのでしょう。今はごく限られたハイカーにだけしかその存在を知りません。この三床山塊には他にも興味深い遺跡があります。鏡岩と庚申塔群はそのひとつですが、人里離れた山中に30を数える庚申塔を設置した理由は、里人も老人でさえその存在を知らず、今となっては全く不明です。いつか、それを紹介できる機会があればと思っています。

 左の写真は、まるで果実のように見えるでしょう?コレはコナラの下ばえに付いていたもので、なんだか食べられそうにも見えますが、虫エイ(巣)の一種だと思います。

 新緑は命が洗われる感じがしますね。森林浴が健康によいとされるのは、樹木から出されるフィトンチッドという精気成分があるからだそうです。目に見えないけれどなんだかいっぱい出ていたかもね。そんな雰囲気がします。

 ヤマツツジはほんの僅かしか見られませんでした。花の蕾の絶対数がありませんから、時期が早いとか遅いとかの問題ではないと思います。蕾は去年のうちに作られるのでしょうから、おそらく暖冬異変も関係ないのではないでしょうか。

 桜山からつつじ山にかけての尾根はツツジの林と言ってよいくらいあります。ツツジの花の林の中をかきき分けるように行く、なんて言うとちょっと大げさですが、山の中のツツジはそんな感じです。来年に期待ですね。

 スミレは種類が多くて私にはとうてい手に負えません。でも、せめて山で見られるくらいはと思っています。そこで、分かりやすいのは左の写真の「フモトスミレ」です。葉っぱの形や白い花が特徴かなぁ。杉林の半日陰のようなところによく咲いています。右の写真は○○スミレと○○の付かない「スミレ」です。これは日の当たる大きな岩の狭い棚のようなところに咲いていました。風に揺れていたのでちょいピンボケですね。芭蕉の句に『山路来てなにやらゆかしすみれ草』とあるのはこの「スミレ」でしょうか。

 左の花はニシキゴロモ(シソ科)です。背丈10数センチくらいです。以前、同じシソ科のジュウニヒトエによく似ているなぁって思って調べたことがあります。花の付き方が違うのですね。

 右の写真はツクバネウツギ(スイカズラ科)です。一ヶ所から2つラッパのような花が咲いています。ガク片が5枚開いて付いてますが、これが果実になったときも残り、羽根突きの羽のように見えるところから付けられた名前だそうです。

 烏ヶ岳での休憩は2:30。急傾斜を下りたところが栗谷坂峠。前回はここから動きの悪くなったN氏とエスケープしましたが、今回は全員快調にきました。峠からピークに登り返すと三床山が間近に見えます。ここから見ると三床山はお椀形ですね。というか、前方後円墳の円墳部分のようでしょうか。山って見る角度によってずいぶん違いますね。

 右の写真の花はガマズミ(スイカズラ科)だと思います。小さな木で葉っぱもふつう見るより小さく、実がなってみないとよく分かりません。花もコレだけでした。黄色い実がなるキミノガマズミというのがあり、桐生の吾妻山で小さい木に実がなっているのを見たことがあります。もっとも、このときは葉っぱが落ちてしまっていて確信が持てませんでした。どっちにしろ分かんないって事ね(^_^;)  (他候補にコバノガマズミ・ミヤマガマズミ)

 当初の予定では、最後に三床山に登って縦走が完了するはずでしたが、二床山経由下山に変更です。特に深い意味があるわけではありません。私たちの気まぐれはいつものことです。二床山を下ると岩場のチェアロックにでます。ここで、白丸さんにコーヒーをいれてもらって最後の大休止。
 ここからは、一つ大きなピークを越えます。以前英単語名(?)のピーク標識がありました。今回は立派な道標が立てられています。ピーク名も「高松」というまっとうな名前です。これは地元の方が立てられたものでした。たまたま、シノダケのブッシュを整備中のその方とお会いし聞いたところ、地元では「高山」と呼ぶそうです。

 この方は、登山者が増えてきたこともあって道標を整備しているそうです。里山を愛する人はいるものですね。だだ、入山者が増えれば山は荒れるのがふつうです。リボンがやたら垂れ下がっていたりするのも興ざめな気分ではありますが・・この「お山歩」に、三床山頂の祠には年に一度地元の方がお参りしていると書いたことがあります。この方に改めてうかがったところ、現在は鹿島神社のところで手を合わせるだけだそうです。そんな話を聞くと、登山者が増えた反面ちょっと複雑な感慨ではあります。鹿島神社到着は4:20でした。



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