クサギの実
〔クマツヅラ科クサギ属〕

 クサギは花や葉が臭く匂うので『臭木』だそうです。でも、私にはピーナッツのような匂いに感じるので、かわいそうな名前がつけられたものだなと思います。花が終わったあとの実は、まるで宝石のアクセサリーのようで、とても美しく素敵ですね。

            (撮影 06.10.6)

 一つ目小僧のようですよね?
果実から真っ黒な種が顔を出したところです。 ゴンズイなんて変な名の樹木ですが、海の魚のゴンズイに樹肌が似ているところから名付けられたそうです。
 
     (ミツバウツギ科ゴンズイ属)

 ブドウみたいでしょう?
 ユズリハの実です。『譲葉』は常緑の高木で、古い葉が新しい葉に世代交代する事から、縁起の良い木とされています。    

     (ユズリハ科ユズリハ属)

 館林城の僅かに残った外堀の跡(現在は朝日町内の小池)で見たシロダモの実です。クスノキ科シロダモ属で雌雄異株です。マウスを当てると雄花が見られます。

 ガマズミの実です。真っ赤な実がおいしそうでしょう。でも、生で食べる人はまずいないでしょうね。果実酒にするとよいそうです。私も作っていますが、まだ熟成中で飲んでいません。
        
     (スイカズラ科ガマズミ属)

 この果実の形から樹木名があります。何に見えますか? ネズミの糞と答えた方はエライ(かも)。ネズミモチの果実です。 この写真の木は葉を太陽にかざすと葉脈が透けるので、トウネズミモチです。
         
     (モクセイ科イボタノキ属)

 縁起の良い木に千両・万両がありますね。他に百両や十両もあるのを知ってますか? 写真は十両です。別名(本名かなぁ)は『藪柑子』でわずか10cmくらいの木です。地下茎を延ばして増えるので群生するようです。
    
     (ヤブコウジ科ヤブコウジ属)

「馬酔木」と書いてなんと読むか分かりますか?
「あせび」です。どうしてこんなふうに読めるんでしょうねぇ。馬がこれを食べたらフラフラするという有毒植物です。でも、かわいい花ですね。山で見るのは白花ですから、これは園芸品種だと思います。  
     
     (ツツジ科アセビ属)

 3月から4月の頃、里山を歩いていると、ガスの臭気のような匂いがします。これでヒサカキの花が咲いているなって分かります。匂いに似合わず可愛い花です。写真のように白花がふつうですが、赤っぽいのもありました(マウスを画像に乗せると見られます)雌雄異株ですがこれは雄花です。       

     (ツバキ科ヒサカキ属)

 山道を下を向いて歩いていると気づきません。
それに、淡黄色なので早春の山でもそれほど目立
たないのです。花が房状に枝からいっぱいたれさ
がるので、ようやくキブシだって分かります。
 雌雄異株ですがこれはたぶん雄株。あたりにこれ1本しかなかったようですが、どうやって子孫を残すんでしょう。
 果実を五倍子(フシ)の代用にして、黒色の染料
にするのでこの名があるそうです。
                  (キブシ科キブシ属)

 山道を歩く楽しみの一つは、ふだんは目にすることのない山野草に出会うことです。この花はたいへん地味だと思うのですが、花の清楚な様子から静御前にちなんだ名がつけられています。花とはいっても白く見えるのはメシベに直接ついたオシベで、花びらはありません。山地のやや湿った半日陰のような場所に咲いています。(4/1撮影)
    ヒトリシズカ(センリョウ科)

 沢沿いの湿って半日陰になっている杉の植林地などに、よく群生して咲いています。山で見る美しい花のひとつです。これは我が家の隅に咲いているものです。何の手入れもしませんが、毎年咲いてくれます。漢字では射干と書きますが、元はヒオウギのことで、日本に入ってきたときに誤用されてしまったものとか。美しい花なのにお気の毒でしたね。

         シャガ(アヤメ科)

 庭木にするドウダンツツジがありますね。初めて山で目にしたとき、これと花がとてもよく似ているので、てっきり野生のモノだと思いました。しかし、アブラツツジだそうです。葉裏が油を塗ったように光っているので、その名があるといいます。この日は雨が降っていたせいでしょうか、そんなふうには見えませんでした。
 
 ツツジ科ドウダンツツジ属 2007.5.6撮影 

 旧暦4月は「卯月」ですね。卯の花が咲く月ということだそうです。童謡に、卯の花の匂う垣根に〜♪ってありますが、私の鼻には匂わないのですが・・・
「ウノハナ」は「空木(ウツギ)」の別名です。枝を切ってみると、丸く穴があって中空になっています。

 (ユキノシタ科    2007.5.21撮影   

 ドクダミは「十薬」といわれ、民間薬になります。これで化粧水を作ると、ひどいシミも消えていまうとか。白い花びらは花弁ではなく苞というもので、黄色い部分が花が集まった花序になっています。独特の臭気があって嫌われるようですが、私にはなぜか好ましくさえ感じられるのですが・・・焼酎につけ薬用酒を作ります。美味くはないですね。

  ドクダミ科          07.5.31撮影

 ビョウヤナギ(未央柳)です。美容柳とも書くようですが、この場合はビヨウヤナギと表音が違います。柳といってもヤナギ科ではありません。
 メシベを取り巻いているオシベの花糸が、あまりにも長いのに驚きますよね。同属に錦糸梅というのがありますが、名前を交換してあげたいくらいです。

オトギリソウ科      2007.6.11撮影

 梅雨の頃この花が咲き出すと、夏になったなぁと思います。いくらでも高く延びるツル性の木ですが、這わせていた松が枯れてしまったので、今は隣の家との境に、ちまちまと咲いています。漢字で「凌霄花」と書いて、天までもしのぐと言う意味だそうですから、移植も考えてやらねば・・・
    ノウゼンカズラ (ノウゼンカズラ科)

 私たちがミョウガとして食用にしているのは、ミョウガの花穂です。当然ですが、花が咲きます。この花は一日でしぼんでしまいます。お世辞にも綺麗だと言えないかも知れませんが、よく見ると、けっこう愛嬌があると思いませんか。
 
 ミョウガは鈍根草ともいうそうです。食べ過ぎるとアホになってしまうからです。そんなことはないというのが今日の通説のようですが、昔の人の言うことには、謙虚に耳を傾けるがよろしいかも。案外と真実かもしれませんよ^^;

                    ミョウガ科 

 英語では、bell flower と言うそうです。和名ではホタルブクロ。この花の中に蛍を入れて、透かす光を楽しんだというのですね。他にも、ホタルは「火垂る」の意で蛍と提灯を兼ねた語源説なども・・・いずれにせよ、日本人らしい感性が感じられる命名ですよね。
 山道で出合ったこの花は、中に光源があるかのように、微風に揺れる木漏れ日が当たっていました。それはまるで蛍がいてそうしてるかのように、緩やかに明滅して見えました。
                      キキョウ科

 蔓(つる)の巻き方をどう表現するかには、植物学には混乱があるようです。伝統的には画像のような巻き方を右巻きとしますが、最近は他の分野と同様に左巻きとすべきだという説が有力のようです。
 それにしても、しっかり巻きついていますね。幹がまるでお団子のようにくびれてしまってます。

         ノダフジ(マメ科)

 山で早春にまず咲く花がこのマンサクです。黄色い糸のように見えるのが花びらです。葉が出る前に木の枝一杯につきます。
 
 名前の由来には、マズサクのでマンサクになったという説がありますが、漢字表記は満作で豊年満作からきたとも言われます。 
 
 足利市の最高峰「仙人ヶ岳」にはマンサク街道と呼ばれる尾根があります。良く咲く年とそうでない年があります。良く咲いた年は農作物が豊作だと占うそうです。私が見に登った時は余り咲いていませんでしたが、実際はどうだったのでしょう。
 
 この画像は「おうら創造の森」に咲いていたものです(08.2.29)。満作状態でしたが・・・ 

キブシです。漢字では「木五倍子」と表記します。実が五倍子(フシ)のように、黒色染料になるからだそうです。かつて歯を黒く染める『お歯黒』という風習がありましたが、この実からとった染料で染めたといいます。
 花は葉が出る前に、ブドウの房のように枝から垂れ下がっています。当然、実もそのようになるのでしょうね。どこで見て撮影したか忘れないようにして、果実を観察して見たいと思います。
                       キブシ科
ニワゼキショウ(庭石菖・アヤメ科)です。
画像くらいの小さな花が、芝生の広場などによく咲いています。花の色は右の赤色のものと左の白色のものとがあります。
花は一日でしぼんでしまうそうですから、次々に咲くのでしょうね。
画像は合成したもので、実際には赤と白の花が一緒に混ざって咲くことはなく、各色のグループごとに離れて、それぞれ小さな群落を作って咲いています。
その事が、私にはとても不思議に思われるのですが・・・。

富士山には月見草がよく似合うと言った作家がいたが、初秋の高原には松虫草がよく似合う。私の大好きな花のひとつだ。

松虫草のいわれはいくつかあるようだ。だが、チンチロリンと鳴く松虫の秋の高原の風情を、同じように花にも託したのではないかと思う。

私の純情山詩集にも松虫草をうたったものがある。しばらくリンクを外していたが再掲することにした。

 山の落ち葉の吹き溜まりで、私が経験した中で一番だったのは、腰まですっぽり浸かるくらいあった。それでも山の落ち葉は1年で1ミリの土ができるほどだという。
 画像は唐楓(トウカエデ)の落ち葉。名前の通り中国原産で、日本には江戸時代に伝わった。紅葉が美しいので街路樹にすることが多い。野生化したものもあるそうだ。これは里山への道に積もっていたのだが、木が並んでいたので、植栽したものかも知れない。

 正月の縁起物として、万両は千両や蟻通しと共に植えられ、『千両、万両、有り通し』といわれるそうだ。 ちなみに、アリドオシは一両で、十両が藪柑子(ヤブコウジ)、百両が唐橘(カラタチバナ)だそうな。
 画像は万両で、赤い果実が葉の下に垂れ下がる=重いからということで、万両の名が付けられたという。

 今日は節分で明日の4日は立春。桐生の南公園の梅園に行ってみたら、まだ咲き始めたばかりだが、散策していると、ほんのりと気品のある香りが漂っている。
 ここには六百数十本の梅の木が植栽されているが、約5:3で紅梅が多い。広い公園には紅い花の方が見栄えがするからだろうか?
 しかし、そうなると白梅を応援したくなるのは写す者のきまぐれだろうか・・・

連翹の漢字をレンギョウと音読みする花樹。モクセイ科で中国原産。日本には平安時代の初期に伝わったといわれる。中国では連翹と言うと「トモエソウ」や「オトギリソウ」のことで、日本に入って誤用されたという。ともに薬用にすることから誤解を生じたらしい。枝が中空なので、レンギョウウツギと称して中国の連翹との区別を明確にすることもあるようだ。でもそうすると、今度はウツギ科と紛らわしくなりはしないだろうか?

4月2日は高村光太郎の連翹忌。彼が生前に愛し、棺の上にも置かれた花だそうだ。

ニガイチゴ。木苺の仲間。別名を五月苺。別名の方は5月中旬頃に赤い実が熟するので、そう名付けられたとは推測がつきますね。
ニガイチゴも「苦い苺」なのだろうと思いますか?
『さにあらず、美味だ』と言いたいのですが・・・残念ながら食べたことがありません。日当たりの良い山道に咲いているので、実になったときも目立つでしょう。それで、好奇心旺盛な方がいて、つまんで食してみるのだとしたら、それが実が見当たらなくなる理由かも。
本当のところは、実の中にある種を噛み潰すと苦いのだそうです。それ以外はけっこうオイシイらしいですよ。種の保存のための知恵なのでしょうね。

画像にマウスを乗せると、果実が見られます。5月29日現在の映像です(足利・大坊山にて)
実際の大きさは直径1cmくらい。確かに甘いことは甘いのですが、食べてが無いほど小さいし、たいそう美味だとまでは言えませんでした(^_^;)

ネジキ(ツツジ科)の花です。間近でよく見ると、まるで小さな妖精達がお行儀良く並んでいるようです。

ネジキの幹はねじれています。それでネジキといいます。小高木でそれほど大きくならないのですが、桐生の奥の根本山の沢コース登山口近くの沢の崖に、ネジキの大木があります。

花が終わった後には果実ができますが、花のように垂れ下がらずに逆立ちします。どうしてなんでしょうね?
マウスのポインタを画像に当ててみて下さい。その様子が見られます。
ねっ、不思議でしょ?

蓮の花は早朝に開きます。開く時にポンと音がすると言われてますが、それを聞いた人がいないらしいのは不思議です。
花は午後になると閉じてしまいます。それを繰り返して、4日目に開花すると、もう閉じることはなく、はらはらと散ってしまいます。
残った花托(果托)が蜂の巣に似ていることから、ハチス・ハスになったといわれます。
果托にある種子はけっこう長生きです。古代蓮で有名な『大賀ハス』は、2000年前の遺跡から出土した種3個のうちの1個が奇跡的に発芽したものです。同じく古代蓮の『行田蓮』は、公共施設工事でたまたまできた池に、自然発生的に眠りから覚めて自生したそうです。1400〜3000年前のものと推定されています。
画像にマウスのポインタを当てると、『行田蓮』花になります。

秋のお彼岸の頃に花が咲くので彼岸花。韓国では相思華というそうです。それは、花が咲いているときは葉が無く、葉があるときは花がないからです。それぞれが他方を思いやるという意味なんですね。ちなみに、葉は花が咲き終わってから出てきます。三倍体なので種はできません。球根で増えます。
 
彼岸花は別名が多く、死人花、地獄花、幽霊花などとも言われます。墓地などに植えられたせいでしょうね。これは、彼岸花の根茎には有毒成分があり、これがあると動物達が掘り起こしたりしないからです。川の土手に多く見られるのも、モグラが穴をあけないようにようにするためです。

仏典(法華経)では、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)といって『天上の花』という意味だそうです。この名前が私にはロマンを感じさせます。

漢字で秋桜は「アキザクラ」が本来の読みだが、これを「コスモス」と読ませるのは、今から30年程前、さだまさしが作詞作曲し山口百恵が歌ってヒットした曲『秋桜』からだろう。だから、アキザクラは古い和名のようにも思えるが、コスモスが日本に入って来たのは明治20年代だそうで、花の歴史としてはそう古いことではない。

今では、各地で大規模な花畑が作られて、町興しに役立てられている。館林の隣、大穀倉地帯の広がる板倉町では、麦作の後を利用してコスモス畑を作っている。敷地面積は日本一といわれていて、、種まきは無人ヘリコプターで行うのだそうだ。見渡す限りコスモス畑で、その数7千万本だという。
花の期間中は無料で花摘みが出来るが、どんなにとっても、なくならないというから、その規模の大きさがわかるというものだ。
(マウスを画像にのせると熱気球に)

教室の前の隅に、11月も終わろうというのに、タンポポが咲いていた。花を裏返して総苞片を見ると、反り返っているので、やはり、西洋タンポポだった。

在来種に比べて、西洋タンポポはどこでも生育するので、繁殖力が強いと言われる。しかし、それで日本タンポポが駆逐されてしまうわけではない。あたかもそのように言われるのは、在来種は春にしか咲かないのに、西洋タンポポは春から秋まで咲いているので、その印象が強いせいでもあろう。

タンポポは、英語で dandelion という。ギザギザしている葉が、ライオンの牙をさすフランス語に由来するそうだ。ちなみに、葉は食用になり、根を乾燥し炒ったものはコーヒーの代用に出来るそうだ。

御神輿の屋根を思い起こせば、なぜミコシグサと言われるのか判然としている。
スプリングのように巻き上げて、種を飛ばすための工夫なのだろうが、その造形美に感動さえ覚える。

本名は『現の証拠』で、子どもの親指の爪くらいの小さな花が咲く。あきれるほど単純な命名だが、下痢止めの民間薬として、これほど有名なものはないだろう。煎じて飲めば、ぴたりと下痢がやみ、『イシャイラズ』ともいわれる。
また、どんなに飲んでも、副作用で逆に便秘になってしまうということもないそうだ.

(フウロソウ科)

梅の花に紅梅と白梅がある。紅梅の方が先に咲き出すそうだ。
その話を新聞で読んだのだが、花の色が違うだけで、そんな違いがあると思えない・・・と多少の疑いが首をもたげた。
かといって、確かめに新聞記事の梅林に行く予定がない。

そんな折、近所の住宅地に小さな公園があり、1本の紅梅が咲き始めているのを見た。近づいてみると香気が漂っている。胸いっぱいに薫りを吸い込んで、改めて、春って素晴らしいと思ったのだが、残念なことに、そこには白梅の木はなかったた。果たして白梅より先に咲き出すのか、その真実を確かめようがない。花粉症を気にしながら、梅林に行ってみようか・・・

梨の花が見頃を迎えている。もちろん、かってに梨園の中に入るわけにはいから、道端からそっと覗くのだが・・・

なぜ「ナシ」というかは、いろいろ説がある。そのうち、風があると実が生らないので、「風なし」から来たという説がある。今時では、ミツバチがいないと困るらしいが、風があると本当に実ができないのだろうか?
平安貴族は「ナシ」は「無し」に通じるとかで嫌い、「有りの実」に言いかえて歌などを詠んだそうだ。

花やガクは5弁でバラ科。バラのほかにリンゴやモモ、梅,桜、イチゴなどなどバラ科の草本・木本は、日本には約250種、。世界では3400種もあるというから、植物の世界ってスゴイなと思う。

レンゲソウ(蓮華草)はマメ科ゲンゲ属の植物だから、ゲンゲ(紫雲英)というのが本来の名前かもしれない。
だが、濁音が続くと、この花の愛らしさが伝わりにくいように思う。やはり、田んぼを埋めるように咲いているのを見ると、レンゲと呼んだほうが懐かしい。

レンゲソウは根粒菌で窒素を取り込み、緑肥にするために田んぼ一面に咲かす。しかし、化学肥料に変えられて久しく、わざわざレンゲを作る意味が薄れてしまったのだろう。
懐かしいという言葉を使ったが、今では滅多に目にしない田園風景だ。

母校の館林高校に万葉植物園がある。その中の小さな池に大賀蓮があり、今次々と花を咲かせている。
大賀蓮はいわゆる古代蓮で、2千年前の泥炭層(千葉県検見川)から採取された蓮の実3個のうち1個だけが発芽したのだという。昭和26年頃のことだ。
母校に大賀蓮があるのは、昭和30年に大賀博士が講演で来校し、そのときに茎を寄贈されたのだという。
私が高校生だったのは昭和40年前後で、現役のときは、特に関心を持った記憶がない。それが年をとった今、大賀蓮の花を見てしばし古代に思いをいたすのは何故だろう。     (ブログより)

 山の日当たりの良い、たとえば高原の林のようなところに、ヤマブドウのツルが木を覆うようにしてある。近づいて下から見上げ、ブドウの実がついていたりすると、なんだか嬉しくなる。
 
 画像は奥日光の某所で撮ったのだが、八月末ではまだ青くて固い。これが黒く熟し食べ頃になるまでには、もう1か月くらいは必要だろうか?

 そう頻繁に山歩きをしてるわけではない。だから、山の果実の食べ頃に、どんぴしゃりのタイミングで遭遇するのは難しい。せめて、どこそこの場所にあったぞくらいは覚えておこうと思う(^_^;)

蝋梅(ロウバイ)の見頃は、館林の辺りでは1月中旬から下旬頃だろうか。2月になると見頃を過ぎてしまう。
そんなわけだから、俳句の季語としては冬に配されているが、私の俳句歳時記には、どういうわけか載っていない。
蝋梅は明治期になって日本に伝わったというから、伝統的な季語になるには、まだ新しいのかもしれない。

蝋梅とはいうが、梅のバラ科ではなく、ロウバイ科に属する。花びらが蝋のように艶やかで梅に似ているということから名付けられたようだ。また、旧暦12月の別称を臘月(ろうげつ)といい、この頃に咲き始めるからだという説もある。

画像は、雷電神社の総本宮で群馬県板倉町の雷電神社境内にあるもの。株数は大分植栽されているがみな若い木だ。ここが蝋梅でも有名になるには、まだウン十年先のことかもしれない。

 木蓮(モクレン)は紫色をしていて、それで紫木蓮(シモクレン)ともいう。その紫色はなんとなく宗教的で高貴な気品がある。
 
 1億年もの昔からある花木で、中国が原産だそうだ。モクレンと言うと、白花を思い浮かべるが、それは白木蓮という。

 白木蓮が木の枝一杯に鈴なりに咲いているのもいいが、満開の桜の中に混じって紫の木蓮が幾つかあると、それだけで私は見とれてしまう。

 木蓮の花は、時が来ると申し合わせたように、いっせいに散るらしい。花弁が大きいから、パラパラと雨が降るように、かなり大きな音がするのだそうだ。
  そんなチャンスに巡り合いたいものだと思うのだが、私の身近には、そんなふうになるほどの大きな木蓮の木を知らない。

 教室の通りを挟んだ向かいの家の畑に、1本のザクロの木があって、私はこの20数年来毎日のように眺めているのだが、その20年前と樹木の大きさが変わらないような気がする。ザクロというのは、それ程に成長の遅い木なのだろうか? それとも、毎日見慣れているせいで、成長の様子が分からないのだろうか?
 
 ザクロは漢字では石榴と書く。今でも生薬に使われているというが、遠い昔、シルクロードを通り中国を経て日本に渡ってきたのは平安の頃だそうだ。きっと、その途中に、シャクロとかなんとかいう地名か国があったのだろう。 

 そんなことを思って調べていたら、ザクロはリビアの国花になっている。イランが原産だという記事もあったが、観賞するというより、薬としての価値があったことは確かなようだ。

 そういえば、人間の子どもを食う鬼子母神に、釈迦が代わりに与えたのが、人肉の味がするというザクロの果実だったというが、やはり、薬効としての何がしが背景にあったのかもしれない。

晩秋から冬にかけて、葉がすっかり落ちて、真っ赤な小さな実が枝一杯に付いている庭木があったら、まずウメモドキだと思っていい。

漢字は「梅擬」で、枝葉の様子が梅の木に似ているからだという。小さな赤い実も、梅の実に似ているというのだが、実際の大きさは画像と同じくらいで、私には、似てるようには見えないのだが・・・

この画像は、とある神社の境内にあったもので、9月でも残暑が厳しいが、秋は確実に近づいていると思いながら眺めた。

ちなみに、梅はバラ科だが、梅擬はモチノキ科。

 榧は『木+匪』の形声文字で、『ヒ』を表す『匪』は『左右に開く』というので、針葉が扁平に左右に開いてついている『かや』の意味になる。

 確かに、カヤの葉はそのようなつき方をしていて、握ってみると葉の先が固くて痛い。この木は碁盤や将棋盤を作る材になる。

 同じイチイ科の仲間でもイヌガヤは葉を握っても痛くないので見分けられる。ちなみに、イヌとは、動物のことではなく、役に立たないという意味だ。

 画像はカヤの実で、傷つけてみると、グレープフルーツのような柑橘系の香りがする。食べられるそうだが、けっこう爽やかな匂いなので、幾つかとってくれば、芳香剤に利用できるかも知れない。

桜の実をサクランボというなら、ソメイヨシノの実もサクランボには違いない。ただし、小指の爪くらいの大きさだし、酸っぱくて苦くて、とてもじゃないが食えた代物ではない。

この実を植えたら、発芽はするだろうが、成長してもソメイヨシノにはならないのだそうだ。
ソメイヨシノは園芸品種で、自家不和合性が強く、自家受精しないからだといわれる。

そのため、ソメイヨシノは接木で増やされるのだが、どれもが祖先が同じクローンなのだという。

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