三床山(南面周回コース)

 佐野市田沼町戸奈良の集落から北に入って行くと、三床山南面の山麓に鹿島神社があります。ここはNHKの大河ドラマ「太平記」の撮影にも使われたそうです。三床山の登山口はこの神社の左から奥に延びる林道から始まります。今回はここを基点にぐるりと反時計回りに周回し、神社脇に下ってくるコースをとりました。のんびりと休憩を取りながら回っても、3時間足らずの行程です。


 鹿島神社の駐車場から桜の並木があります。まだ若い木が多いですが、それでも、満開になればやはり桜は美しいですね。そろそろ各地の開花情報が聞ける頃ですが、ここの桜はまだ1週間か10日は先になりそうです。

神社の側面です
彩色が施されています。なんというのか知りませんが、木の組み合わせは釘を使わないでいるのでしょうね。

 林道を3分くらい入って行くと、沢コースと尾根コースに分かれる分岐に標識があります。尾根コースは右に入って行ってすぐ、支尾根に上がっていくようにあり、ここにも標識があります。今回はここを通り過ぎて更に進むことにしました。林道が終点になると右の支尾根の斜面に山道があります。

 その道をしばらくゆっくり登っていくと、やがて尾根コースの右側斜面の杉の植林地との間にできた小広場に出ます。ここに、右の写真の「鹿島神社創建之跡」の御影石の碑があります。ここはかつてブッシュに覆われていて、イノシシの餌場のようでしたが、現在は少し整備されたようですね。私たちはたいていここで一服休憩します。

 上の花の写真はウグイスカグラ(スイカズラ科)です。まだほんのわずか数輪が見られただけですが、里山に春がやってきていることが分かりますね。そういえば、小さなタチツボスミレもいくつか咲いていました。

 休憩した奥の斜面を急登すると、左の標識があります。板が割れていますが、これは人間ではなさそうですね。クマは塗られている塗料に反応して、かじって破壊してしまうことがよくあるようです。桐生の奥の山でやはり壊された標識から、私はクマの毛を採取したことがあります。ここでもそうかと思ってよく見たのですが毛は残されていませんでした。もしかして、標識そのものも少し修復したのかもしれません。

 ここから山頂までは、かなり急な登りが続きます。場所によっては斜度45度くらいもありますから、雑木につかまりながら登ります。
息が上がりそうになるのを2,30分頑張ると山頂に飛び出ることができます。山頂には3つの石祠が、三床山を囲むそれぞれの集落に向けて建てられています。南斜面の雑木が切り倒されて展望が良くなりました。ただ、見下ろすところがゴルフ場なのは少しばかり興ざめではあるのですが・・・

三等三角点です

 三床山から西の急斜面を下るときにトラロープがつけられていますが、これに頼り切るのは危ない気がします。その下が鞍部になっていて、沢コースからはここに上がってきます。向かいの尾根が二床山方面で、馬蹄形に周回する尾根となっていきます。

 三床、二床と馬蹄形に回る尾根の南側斜面は、大昔、彗星が落ちて爆裂したかのようにそぎとられています。つまり、断崖が円形に取り巻いて続くような地形をしています。したがって、右のような岩場を縫うようなところもあります。この岩はなんかに見えませんか?私にはゴリラが左を向いている横顔のように思えるのですがねぇ。名づけて「ゴリラ岩」はどうでしょうか♪

 小さなピークを越えて2つ目に好展望台があります。今日は暖かい日差しに風も少なかったので、ここで昼食にしました。ちょうどお昼を知らせるサイレンが聞こえました。

 左の写真が二床山です。去年はここに登る斜面でカタクリが咲いているのを見ました。今年は暖冬だからもう咲いているかと期待したのですが、咲いていませんでした。葉っぱは見られたのでまた咲くかもしれません。

 二床山から南の急斜面を下りしばらく行くと、テラスになった岩場があります。そこにちょうど人が腰掛けられる岩があります。私たちはこれをチェアーロックと呼んでいます。私は高所恐怖症ですから、足元が切れているところなんか嫌ですねぇ。そんなとこに腰掛けたいとも思いません。こういうところが平気なマラソンさんに、モデルになって座ってもらいましたぁ。
 以前のことですが、この腰掛けるところに種が混じった新鮮な糞がありました。量から見てクマかイノシシと思われます。そこで、どちらのモノであろうかと検討したのですが、クマのものだろうと結論しました。イノシシはこんな見晴らしの良いところで用を足さないというのが論拠ですが、果たして真実は・・三床にクマなんていないと思っているハイカーもいますが、現に私たちはこの三床山塊で遭遇体験しています。

チェアーロックから見た三床山

 私はここら辺から見る三床山が好きです。円錐の母線は45度はありますよね。里山でありながら、あなどれなさを感じます。標高335mにしては、とてもあっぱれな山容をしていると思いませんか?

 下山路は2つピークを越した後、見通しのないヒサカキの多い支尾根に入りぐんぐん下ります。
平坦地に出る手前しばらくは背丈を越すシノダケのブッシュになりますが、その中の道跡ははっきりしています。そこを飛び出すと鹿島神社の横に出ます。今日の駐車場出発は10時10分、到着は1時25分でした。



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