西ノ湖〜千手ガ浜〜菖蒲ガ浜  その1

 自宅を7時10分に出る。東北道・日光宇都宮自動車道経由で、戦場ヶ原の赤沼車庫に着いたのは9時頃。高速料金1400円。日光への有料道路450円。ETC車なら安くすむが、民主党政権は高速無料化のマニフェストを出していて、それを支持する私はETCを搭載していない。ところが、これはどうやら雲行きが怪しい。ETCを付けるべきかもしれない(^_^;)

 まずまずは順調の出足だが、地図を忘れたのに気付き、「赤沼自然情報センター」でガイドマップを購入。50円也。

 赤沼車庫から千手ガ浜へは一般車両は入れない。以前、小田代原を歩いたが、このときはバスに乗らなかった。今回は西ノ湖が目的地だから、ラクチンをするべく最初から利用するつもりでいた。

 西ノ湖入り口までは歩行で90分くらいの距離。バスだと20分で行く。どこでも乗り降り自由で300円。ともあれ、9時20分発の低公害バスに乗ることが出来た。 

 西ノ湖入り口は「あざみ橋」というコンクリート橋のたもとで、大きな駐車場がある。平成5年低公害バスが走るまでは、一般車両が入ってこれた時の名残だ。

 ここでハイカーが十数人降りた。皆軽装だ。山歩きの装備で熊鈴までリンリン鳴らしている我が姿がなんとなく恥ずかしい(^_^;)

 あざみ橋を渡ると、唐松林の中を平坦な道が真っ直ぐに続く。新緑や黄葉の時分は、さぞかし増して良い雰囲気だろうと思う。

 赤い吊り橋のところで、千手ガ浜への遊歩道と分岐する。橋を渡ると大木なミズナラのある林へと林相が変り、まもなく西ノ湖の「西ヶ浜」への分岐に出る。他のハイカーは湖への直ぐの道をとるようなので、私はへそ曲がりをして西が浜へ向かう。

 西ノ湖(さいのこ)の名前の由来は、中禅寺湖の西方にあることから名づけられたという。1983年に「21世紀に残したい自然百選」に選ばれている(森林文化協会・朝日新聞)。

 神秘の湖ともされる西ノ湖は、かつては中禅寺湖とつながっていた遺留湖で、湖水の増減が激しいという。多いときは湖畔の林のところまで湖面になるらしい。この日は渇水期のようで、遠浅になるような浜辺が遠くの水面まで広くあった。この西が浜からは湖面の先に男体山が見える。

 西が浜のあたりはケモノたちもよく来るようだ。左は熊、右は鹿の糞。
 軽装のハイカーを見て、熊鈴を鳴らしているのを恥ずかしく思ったが、ちゃんと熊さんがいるのが分かり、なんとなく安心(^_^;)

 西ヶ浜から岸辺を戻る途中、倒木に黄色いキノコが一叢張り付いているのを見た。遠目にも艶やかな黄色だったが、食えたらスゴイ(^_^;)

 北岸(遊歩道からの西ノ湖入り口)に、湯の湖ビジターセンタが設置した定点観測用のカメラ台がある。
←それに乗せて写すとこんな具合。

 西ノ湖の湖岸はヤチダモやミズナラの大木の林がある。赤城山の「おとぎの森」でミズナラの巨木を見たときは、その大きさに、驚くべき木もあるものだと思ったが、ここのミズナラはそれにもましてスゴイ。まさにトトロの木かも

こうした巨木のある林が赤い吊り橋から「千手の森歩道」へと続く。千手ガ原はほとんど平坦な広い森になっていて、遊歩道から外れて中に入ると迷ってしまうかもしれない。 どうしたタイミングからか、あるいは軽装の観光客的ハイカーはこの道を通らないのか、他のハイカーに遭わずに一人歩きを楽しんだ。

 遊歩道には色々なキノコがあった。左は苔むした木株の上にチョコンと乗っていた可愛いキノコ。

 千手の森歩道の行程の半ば、歩道から200m千手ヶ原の中央に入ったところに、「山の神」が祭られている。石祠の扉が青銅と思われる板で出来ているのは初めて見た。宝永6年(1709)の建立で6名の名前が刻んである。.
 歩道から少し奥に、円形に石を積み重ねた場所があった。炭焼き釜の跡だという。営林署の案内板がなかったら、気がつかずに通り過ぎただろう。こんな山奥の国有林でも炭焼きが行われていたとは。おそらく戦争中のことで、戦時経済の逼迫さが窺われる。

ヤマブドウの木がある。黒く熟すまでは固くて食べられない。

ナラタケだろうか? 直ぐ隣の木にも大株になっていたが、そちらは溶けていた。この画像の方は、まだ形がしっかりしているので食べられそう(^_^;)

 千手ガ浜近くに、マルバダケブキの群落があった。フキとは言うが、食用になるフキ科ではなくキク科の植物。苦いので動物も食べないために、ときとして大群落が形成されるという。

葉っぱに、何という虫か知らぬが、繁殖中なのだろうか、コロニー状態でいる。

 見て名前も分からない花は、とりあえず撮ってくる。後で図鑑などで調べればいいと思うからだが、分からないままで終わってしまうものも多い(^_^;)

 中禅寺湖千手ガ浜に到着。12時50分。浜には数人しかいない。売店らしい建物があるが閉まっている。浜辺に波が寄せるサマが、まるで海の波のようで面白い。ミズウミというくらいだから不思議ではないのだろうけど(^_^;)

 さて、ここからはどのコースで帰るか、昼食のインスタントラーメンを食いながら考える。

 低公害バスに乗ってアッサリと戻るのもいいが、それだと、あまりにラクチンで後悔を残しそう(~_~)
 
 中禅寺湖西岸の「赤岩」を回るコースがポピュラーのようだが、それだと2時間はかかるし、しばらく山歩きもしていないので、ちょい面倒だし・・・^^; 

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西ノ湖西が浜到着、10時20分。こちらの浜には、夫婦らしい中年が1組いただけ。鳥の声も虫の声もせず静寂。なるほど、これが神秘の湖かと頷くが、西ノ湖入り口のある彼方に、何人もの人影が見えるので、思っていたより寂しくはない