深高山・石尊山、&猪子山

 
 当初、私たちは群馬と栃木の県境の白葉峠から、仙人ヶ岳に登る計画をもっていた。だが、例によって(?)、プランは次々に変更となり、場当たり山行メンバーの面目躍如たるものとなった。したがって、以下は山行記録としては、まるで参考にならないであろうことをお断りしたい。


 仙人ヶ岳の南、名草坂西線を挟んで東西に延びた長い台形の山塊があります。上辺の両端が高くなり、西端が石尊山(486m)東端が深高山(506m)で、この間は緩やかに上下する尾根道です。長距離を歩く登山者なら、西端下の叶花の登山口から登り、石尊・深高と行き更に猪子峠に降りて、仙人ヶ岳に周回ルートをたどるのも面白いでしょう。 現にこの日もそんなハイカーに出会いました。
登山口に選んだ地点

 私たちのメンバーの多くはそのような健脚ではないし、私などは楽チンできるならそれに越したことがないと思うたちです。それで、猪子峠の登山口に行くと、舗装された林道が上に延びています。入り口に車数台があり私たちの駐車する余地がありません。それではと、どんどん上がって行くと、ほとんど一番標高の高いとこに駐車スペースがありました。花束と線香が置かれていましたが、こんなところに何故でしょうね。それはともかく、ここから深高山まではそんなに登らずにすんでしまうはずです。

 ここの登山口を入ると、直ぐに道標があります。その脇には小さな石祠があります。ちゃんとヒサカキ(関東では榊の代わり)の間にあるのが興味深いですね。でも、例の『峠の茶屋の釜飯』が置いてあるのは、なんだか違和感が・・

ロープの張られた登山路の上り
深高山山頂標識

 過激なというほどの急坂ではないですが、トラロープが張られています。つかまって登るとやはり楽チンです。登り始めて30分程で深高山山頂に到着です。晴れていましたが風が強く汗もかかず、ハァハァもしませんでしたぁ。

山頂には石祠があります。ここにも「釜飯」が・・
同じ人かグループが置いたんでしょうね。この中のお賽銭誰が回収するんでしょうかねぇ。(余計なお世話ですね)

 山頂から南の展望は開け、北側は雑木越しに奥に
仙人ヶ岳が見えます。

南の展望

 深高山と石尊山の間は約30分。カシワやコナラの目立つ、気持ちの良い雑木の尾根が緩やかにアップダウンしています。
 途中、湯殿山への分岐がありますが、現在は通行禁止の看板が出ています。湯殿山に回ろうという話しもあったのですが、あえて行くこともありませんね。

N氏、今日は体調がいいようです

 石尊山は特に特徴があるとこではないです。むしろ、これより西の『見晴台』の方が山頂にふさわしいかもね。私たちはここで休憩しましたが、さてこれからどうするか? 時間はまだ11時半です。回収用の車は叶花に置いてありますが、まだじゅうぶん時間があるのに、ここから下山しては、せっかく日曜日を空けてきたのにもったいないですねぇ。

 というわけで、いったん深高山に戻ることにしました。到着するとちょうどお昼のサイレンが聞こえました。当然、食事タイムです。腹が減っては作戦は立てられません!

 コーヒーを飲んだり、1時間くらいゆっくりしてましたが、猪子峠から仙人ヶ岳に向かうことにしました。もちろん山頂までは無理ですね。『犬返し』
までは何とかいけそう、という計画なき戦略(?)です。まぁ、こういうのがあってもいいかも。ダメだったら、潔く引き返せばいいだけですから。

 今朝登ってきた道を下り、駐車してあったビッグベアU世号を丸君と私で下に移動させました。
峠でメンバーを待っていましたが、なかなか下りてきません。そのうち、おやまぁなんと下から上がって来るではありませんか! 近回りのツモリでコースを外れた藪道を下ったら、道がなくなちゃったとか。「急がば回れ」の教訓を確認したようですが、口ぶりでは面白かったとか言って、けっこう楽しんでましたね。

 県道の猪子峠には立派なトンネルができています。昔は歩いて峠越えをしたはずです。「猪子」地名の由来は何でしょうね?
どうしてそんなことが気になったのかというと、峠にある石祠、これには文化14年に建立したことと、上小俣村峠と刻んであったからです。

 右の写真の右の木の下にその石祠があります。よく見ると屋根の傾斜や彫り物などの細工があり、なかなか立派な祠ですよ。ここは村人が通行するくらいの峠だったので、「村峠」で十分だったのでしょうか。

猪子峠の石祠

 私が初めての仙人ヶ岳からの下山に、この猪子峠に下りてきたときでした。上から登山道を挟むように立っているこの2つの大木を目にしたとき、以前来たことがあるみたいな懐かしさを覚えた既視感体験があります。何故だろうと不思議な気がしました。今になって冷静に振り返ると、多少不安だった一人歩きが、終了まじかでホッとしただけかもしれませんね。

 ちなみに、この大木はクヌギです。左のはどうしたわけか上部に幹が伸びておらず、太い大きな枝が、上空を横にあきれるほど長く這っています。

猪子峠からの登り

 猪子峠から30分ほど登ると、東又の尾根のピークです。ここの尾根道にはところどこの立ち木に、『禁煙』の表示が巻き付けられています。以前この先のピークの辺りで山火事があったからだと思います。マナーは当然守らなければいけませんよね。でも、こんな表示を見るとなんだか興ざめです。 

 ここからは、深高山から石尊山の全貌を見ることができます。ちょっと松に隠れていますが、左が深高山、右端が石尊山。 

 東又の分岐から犬返しまでは、ガイドブックでは1時間くらいの行程です。メンバーの一部はザックをデポして、身軽になってそれを目指すことにし、私とN氏とNさんは適当に行けるとこまでということで出発。

511mピーク

 2万5千分の1地形図で511mピークには、『猪子山』の表示がありました。ここまでは山火事跡のピークを越えて約30分です。ここから少し仙人ヶ岳寄りに行くと展望が開けます。しかし、犬返しまでは対面するピークを越えた先です。まだ30分はかかるでしょうね。先行隊はずいぶん先を行ったらしく確認できません。二人に相談(ここまででいいでしょうと、ちょい押し付けた感じでね)したら、もういいと言うので、これ幸い引き返すことにしました(笑)

 猪子山の肩から仙人ヶ岳がよく見えます。犬返しは手前真ん中のピークあたりでしょう。時間は2時45分頃ですから、引き返すにはちょうどよいでしょう。引き返す旨連絡を取ろうと思いましたが、携帯は圏外です。こんなとき無線が使えたらいいですねぇ。まぁ、持ってませんから先行隊には私からテレパシーを送っときましたぁ。全然心配してなかったとこみると、通じたんでしょうかねぇ(^_^;)
 帰り路はゆっくり歩いてきました。左に松田湖や赤雪山が見えます。赤雪山はなかなか立派な山容です。以前、赤雪から仙人ヶ岳に縦走し、最後へばりそうになったことが思い出されました。

 東又の分岐に着いたのは3時30分です。しばらく休憩していたら先行隊も戻ってきました。マラソンさんは鎖にひっつかまり腕力不足に気がついたとか、師匠さんは巻き道を引き返し脚にきたとか。元気だったのはK女史と丸君。とはいえ、皆さん犬返しの鎖場を楽しまれたようです。

 4時15分全員無事に駐車地に戻りました。叶花からは風呂組みといったん館林に戻る組に別れました。いったんというのは夜の反省会(宴会)があるからですがね。
松田湖と赤雪山(中央の山)

足利市内のスーパー銭湯。日曜大人600円でした。

 反省会たって、たいして反省しない飲み会です(^^♪ ともあれ、今回は出発時間が遅いということが、反省といえば反省かなぁ。

 次回は3月、白葉峠をやろうということになりました。その前にカタクリの調査もしなければなりません。忙しい中でのヤリクリです。


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