筑波山

 筑波山は男体山871mと女体山877mとで双耳峰であるが、他に筑波隠し(坊主山710m)を入れて三連峰とする人もいます。
登山道は南面のケーブルカー駅のある筑波山神社や、ロープウェイ駅のあるつつじヶ丘から登るコースがポピュラーです。
 今回、私たちのグループは南面の梅林公園を見て、梅林からのコースのうちの一つ猿田彦神社コースを登りました。


 館林発は8時。筑波の市営第一駐車場に9:30に着きました。思っていたより近いですが満杯でした。40分ほど待ちましたが、トイレとかで時間を潰したりして・・10:10に駐車場を出発しました。

 梅林公園は丁度満開の頃です。第一駐車場から来ると公園の一番上部に出ます。したがって、思いっきり梅の香をかいで見下ろすようになります。
 下から登ってきても素敵だったに違いありません。 

 平年だったら、梅の満開時期はもう少し早いかも知れませんが、今年は今が満開でした。これだけの斜面に広がる梅林は実に壮観です。

 梅園から少し戻り、針葉樹林帯の中に入って行きます。最初は気の抜けるほど緩やかですが、やがて岩場の連続する急坂地帯になります。

 ミヤマシキミ(ミカン科)雌雄異株だそうですが・・・これはどちらの花でしょうか?
シキミ(シキミ科)と同じように、葉をちぎると芳香がありました。

 大岩の下に『猿田彦神社』がありました。この神様は道案内の神様ですが、鼻が長かったので天狗の原型になってます。そういえば、手塚マンガにそういう面妖をしたキャラクターの人がいましたよね!

 いくつもの岩場を攀じて、さいごの大岩を右に巻くと男体山下の『自然観察遊歩道』に出ます。その直ぐ左が絶好の展望台になっていて、ここで昼食にしました。

 背後の男体山以外西から東までず〜っと展望が開けています。しかし、今日は春霞があって、遠方までの眺望はありません。

 私の昼食は赤飯・シャケ・こんぶのオニギリと豚汁です。

 私の希望で自然観察道を一周してもらいました。植物の観察にはまだ芽生え前で早かったです。双眼鏡をさげた若いカップルがいました。聞くと、何種類か観察できたと女性の方がにこやかに答えてくれました。そういえば、天皇家にもそれが趣味だか仕事だかの、素敵な方がいらっしゃいましたね。



 雪が解けずに残っています。今年はここも雪が多かったのでしょうね。

 男体山と女体山の間にある『御幸ヶ原』は台地状の広場です。ここって観光施設が出来る前はどうなっていたのでしょうね。
 万葉集に『歌垣』をしたことが歌われているそうですが、その頃もこんなに広かったとは思えないのですが・・・

 御幸ヶ原はケーブルカーで来る観光地。登山姿のほうが変なとこですね。

 右の『道程元標』ってナゾですねぇ。海抜八00米ってあるし・・・

 女体山に向かう途中の左手に『ガマ石』があります。口の中に小石を投げ入れれば、ラッキーなことがあるそうです。一回、二回失敗。三回目にうまく収まりましたぁ。

 でも、これがガマガエルに見えますか? 写真の角度が良くなかったのかなぁ。私には今画像を見ていると、他の動物か何かに見えてしまいます。 

 上の画像は女体山入り口。左の急な岩場が下山コースになっています。すべりやすいのでおのずと慎重になります。そんな途中に右の石祠が祭られています。

 筑波山は火山でなく造山活動で隆起した山だそうです。

大岩が山中あらゆるところで見られるのは、長い年月で地表の土が流され、マグマが地中深くで冷えて固まってできた深成岩が露出したものだとか。山頂付近はハンレイ岩、その他は花崗岩だそうです。筑波山の周りの町が御影石の加工で有名なのはそのせいなのですね。

 女体山の急な岩場を下ると、ほっと一息し、それからはこのコースのハイライト、次々と面白い奇岩があります。その最初は左の『大仏岩』です。一番上の丸い岩が頭部で、画像では良く分かりませんが、鼻や目や口の形があるように見えるので、なんとも命名の妙ですね。

 右の『屏風岩』はロープウェイの下です。この入り口にガードがあるので、誰も入ってこないので、静かに休憩するには穴場ですね。

 ここには上屋のある神社が崖ぎりぎりに建っています。但し、何の説明板もないので、この神様の正体はわかりません。この神殿の丁度裏の屏風岩に亀裂が入っていて、なんとなく奥殿はこっちかなと思われるのですが・・・

 上の画像は屏風岩から見たロープウェイの山頂駅、その右の岩山が女体山です。


 左の画像は『北斗岩』。人がくぐれるようになっています。というか、嫌でもくぐらないと向こう側に行けません。私はかがんで歩いていて、それでも頭をぶつけました。身体が硬くなっているんでしょうかねぇ。今でもぶつけたトコが痛いのですが・・

 通り抜けて、頭の痛みをさすりながら写しました。北斗七星のことかと思うのですが、そう見えますか?

 『裏面大黒』です。大黒様は背中に米俵を背負っていますが、この岩を見てそれをイメージするなんて!

 『出船入船』。これは右が入船、その左が出船でしょうか?

 『母の胎内くぐり』。安産の神とありますが、岩の中に石祠があります。その祠に木製の観音らしき像が置いてあります。この木像は新しいものですから、これは誰かが勝手に置いたのではないかなぁ。一度このように置かれてしまうと、今度は勝手に取り払えなくなりますよね。押し付けになって必ずしも善意ではなくなってしまうのでは?

 天孫降臨の高天原伝説は日本各地にあるようですが、筑波山にもありましたぁ。

 右の石段は最後は岩になっていて上るのが大変。左は岩の隙間に段があり簡単に登れる。では、何故二つの石段を作ったのか? ナゾですね。

狭い岩場の上には立派な祠があります。

 これぞ奇岩中の奇岩! 『弁慶の七戻り』。絶妙なバランスで岩が落ちずにあります。さすがの弁慶も、ここをくぐろうかどうか何べんも行ったりきたり、散々に迷ったというところです。 

 右の画像は弁慶の七戻りを出ると直ぐのところに立っている巨大杉です。画像ではその全体像を伝えられないのが残念。これがこれからいつまで生きているかわかりませんが、樹木の生命ってすごいですね。筑波山は動植物の特別保護区になっています。今日登って来たコースにもモミの感動的な巨木が何本もありました。

 私が以前来たときは、この下に『弁慶茶屋』があり、休憩飲食のお楽しみ場所だったのですが、それがありません。人間の営みは・・ですね。

 弁慶茶屋から真っ直ぐ下ると筑波神社。左に下るとつつじヶ丘のロープウェイ駅方面です。今回も丸君にわがままを言って、彼が車を回収に行き残りの皆はつつじヶ丘に下りました。

 時間調整のつもりでユックリユックリ。右の画像のあたりで携帯がなりました。丸君からです。もうつつじヶ丘のパーキングに着いているって。さすがの健脚です。ここから麓までは20分くらい。

 帰路は真壁町(現在は合併で桜川市)に回り、伝正寺温泉の一軒宿桜井館で入浴しました。芥川龍之介も湯治に訪れたという古い温泉旅館です。山の汗を温泉で流すのは楽しみの一つで欠かせませんね。ちなみに入湯料500円でした。


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